妊娠中の鉄分不足の治療方法
1. 鉄分不足の症状と原因
妊娠中は、赤ちゃんの成長や発育に必要な鉄分が大量に消費されるため、鉄分が不足しやすくなります。鉄分が不足すると、貧血になり、疲労感やめまい、息切れなどの症状が現れます。また、胎児の発育にも悪影響を及ぼす可能性があります。
鉄分不足の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 過剰な出血（月経過多、痔、流産など）
- 食事からの鉄分摂取不足
- 吸収障害（胃腸の病気など）
2. 食事からの鉄分摂取
妊娠中の鉄分摂取目標量は、1日21.5mgです。鉄分の多く含まれる食材としては、以下のようなものが挙げられます。
- 動物性食品：レバー、赤肉、魚介類
- 植物性食品：ほうれん草、小松菜、ひじき、納豆
鉄分は、非ヘム鉄とヘム鉄の2種類に分けられます。ヘム鉄は動物性食品に多く含まれ、吸収率が高いのが特徴です。非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれますが、吸収率は低めです。
鉄分を効率よく摂取するためには、食事の際にビタミンCを一緒に摂るとよいでしょう。ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を促進する働きがあります。
3. 鉄剤の服用
食事からの鉄分摂取だけでは鉄分が不足する場合は、鉄剤の服用を検討しましょう。鉄剤は、内服薬と注射薬の2種類があります。
内服薬は、1日1回から2回、食後に服用します。効果が現れるまでには、数週間から数か月かかる場合があります。
注射薬は、1回で大量の鉄分を補給することができます。ただし、吐き気や下痢などの副作用が出ることがあります。
4. 漢方薬の服用
漢方薬には、鉄分の吸収を促進したり、造血機能を高めたりするものがあります。ただし、漢方薬は、医師の指導の下で服用するようにしましょう。
5. まとめ
妊娠中の鉄分不足は、食事からの鉄分摂取や鉄剤の服用などで治療することができます。また、漢方薬も効果的な場合があります。
鉄分不足の症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。
