鉄分サプリの寝る前の服用で、めまいや立ちくらみが減る?
1. 鉄分不足とめまい・立ちくらみ
鉄分は血液中のヘモグロビンの材料となる栄養素です。ヘモグロビンは、酸素を体の隅々まで運ぶ役割を担っています。そのため、鉄分が不足すると、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、酸素不足の状態になります。
酸素不足になると、さまざまな症状が現れます。そのうちのひとつが、めまいや立ちくらみです。めまいや立ちくらみは、血圧や心拍数が急激に変動することで起こります。酸素不足になると、血圧や心拍数が低下しやすくなります。そのため、立ち上がったり、急に動いたりしたときに、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。
2. 鉄分サプリの服用で、めまいや立ちくらみが改善される可能性
鉄分サプリを服用することで、鉄分不足を解消し、めまいや立ちくらみの改善が期待できます。
鉄分サプリは、鉄分の吸収率が高い「ヘム鉄」と、吸収率が低い「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は、動物性食品に多く含まれる鉄分です。非ヘム鉄は、植物性食品に多く含まれる鉄分です。
ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて吸収率が高いため、めまいや立ちくらみの改善には、ヘム鉄サプリの服用がおすすめです。
3. 鉄分サプリの寝る前の服用が効果的
鉄分サプリは、寝る前に服用するのが効果的です。
鉄分は、胃酸やビタミンCなどの助けを借りて吸収されます。寝る前は胃酸の分泌量が多く、ビタミンCも吸収されやすいため、鉄分の吸収率が高まります。
また、寝ている間には、体内の鉄分は肝臓や骨髄に蓄えられます。そのため、寝る前に鉄分サプリを服用することで、夜間に効率よく鉄分を蓄えることができます。
4. 鉄分サプリの服用で注意すべきこと
鉄分サプリを服用する際には、注意が必要です。
鉄分は、過剰に摂取すると、体に害を及ぼす可能性があります。鉄分の過剰摂取による症状としては、吐き気や嘔吐、下痢、便秘、腹痛、頭痛、発熱などがあります。
また、鉄分サプリは、胃腸に負担をかける可能性もあります。鉄分サプリを服用する際は、少量から始めて、徐々に量を増やすようにしましょう。
5. まとめ
鉄分不足は、めまいや立ちくらみの原因のひとつです。鉄分サプリを服用することで、鉄分不足を解消し、めまいや立ちくらみの改善が期待できます。
鉄分サプリは、寝る前に服用するのが効果的です。また、鉄分サプリを服用する際には、過剰摂取や胃腸への負担に注意しましょう。
(参考)
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・日本臨床栄養学会「鉄欠乏性貧血の診断と治療に関するガイドライン2020」