子供の鉄分不足を予防する食事の工夫
1. 鉄分の多い食材を積極的に摂ろう
鉄分は、赤血球のヘモグロビンの材料となる栄養素です。ヘモグロビンは、血液中に酸素を運ぶ役割を担っています。鉄分が不足すると、ヘモグロビンの量が減り、酸素不足を引き起こす貧血の原因となります。
子供は、成長期や思春期に急激に成長するため、鉄分の必要量が多くなります。また、月経が始まる女の子は、月経による鉄分の流出量が増えるため、鉄欠乏性貧血になりやすい傾向があります。
鉄分の多い食材には、次のようなものがあります。
- 動物性食品:レバー、赤身の肉、魚介類
- 植物性食品:ほうれん草、ブロッコリー、ひじき、わかめ、大豆製品
子供の食事にこれらの食材を積極的にとり入れましょう。
2. 鉄分の吸収率を高める工夫をしよう
鉄分には、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて吸収率が高いという特徴があります。
非ヘム鉄の吸収率を高めるためには、次のことに注意しましょう。
- ビタミンCを一緒に摂る:ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を助ける働きがあります。
- 酸味のある食べ物と一緒に摂る:酸味のある食べ物も、ビタミンCを多く含んでいるものが多いため、非ヘム鉄の吸収を高める効果があります。
- タンパク質を一緒に摂る:タンパク質は、鉄分の吸収を助ける働きがあります。
3. 鉄分の吸収を妨げる食材を避ける
鉄分の吸収を妨げる食材には、次のようなものがあります。
- カフェインを含む飲み物:コーヒー、紅茶、緑茶
- タンニンを含む飲み物:紅茶、コーヒー、ほうじ茶、緑茶、赤ワイン
- カルシウムを含む食品:牛乳、チーズ、ヨーグルト、小松菜、ブロッコリー
これらの食材を鉄分の多い食材と一緒に摂らないよう注意しましょう。
4. バランスの良い食事を心がけよう
鉄分は、他の栄養素と協力して働くため、バランスの良い食事を心がけることも大切です。
鉄分と一緒に摂るとよい栄養素には、次のようなものがあります。
- ビタミンC:ビタミンCは、鉄分の吸収を助ける働きがあります。
- ビタミンB12:ビタミンB12は、赤血球の生成を助ける働きがあります。
- 葉酸:葉酸は、赤血球の生成を助ける働きがあります。
5. 定期的に血液検査を受けよう
貧血の症状は、疲れやすさ、息切れ、動悸、めまい、顔色の悪さなどです。これらの症状がみられたら、早めに医療機関を受診して、血液検査を受けましょう。
まとめ
子供の鉄分不足を予防するためには、鉄分の多い食材を積極的にとり、鉄分の吸収率を高める工夫をすることが大切です。また、バランスの良い食事を心がけ、定期的に血液検査を受けましょう。